首都圏災害史研究会

首都圏災害史研究会(小研究会)の趣旨

 この小研究会は、災害を通じて首都と首都圏の近代史を考えることを目的とする。
 日本列島は、プレート境界に位置し、地震・火山の活動が活発である。地形は山がちで、そこを流れ下る川があり、沖積平野に人口が集中している。気候は多雨で、毎年台風が襲来する。
 こうした災害多発国日本の首都東京は、巨大な人口と経済の中枢機能が集中する世界有数の大都市である一方、世界でもっとも自然災害のリスクが高い都市ともされている。沖積平野は地盤が悪く、地震の揺れが大きくなる。市街地には木造住宅密集地域が存在し、火災が広がりやすい。加えて、低地であることから水害も受けやすい。
 実際に東京とその周辺は様々な災害によって、時に壊滅的な被害を受けながらも、復旧・復興を遂げてきた。首都圏の歴史、そして将来を語る際に、災害というテーマの重要性は誰もが認めるところであろう。
 しかしながら、関東大震災を除けば、近代の首都と災害に関わる研究は多いとはいえない。これは個々の災害が忘れられてしまっているということだけではない。ある災害の経験は次の災害への対応の仕方に影響を与えている。災害間の関係性も見えていないのだ。
 そして、大規模災害の被害と対策は広域にわたる。関東大震災では東京・横浜を中心に南関東とその周辺が被災地となった。利根川の洪水対策では、上流の群馬県・栃木県にダムがつくられた。災害は首都圏全体に影響を与え、その再編を促す可能性を持っていた。
 この小研究会では近代の災害として、さしあたり20世紀前半に襲来し、被害が深刻かつ広域にわたった、次のものを主に取り上げたい。明治43年(1910)関東大水害、大正6年(1917)東京湾台風、関東大震災(1923)、カスリーン台風(1947)である。
 災害(そして防災)を考えるためには自然科学、社会科学、人文科学など、学際的な研究が必要である。また、現場の知恵や経験も大切である。災害に関心を持つ多くの人々の参加を期待したい。

最近の首都圏災害史研究会

首都圏災害史年表幕末・明治編(暫定版、2021年8月)公開のお知らせ

首都圏形成史研究会小委員会「首都圏災害史研究会」作成の「首都圏災害史年表幕末・明治編」を公開いたします。
本年表は、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬、山梨)の1都7県において、1854(安政元年)から1912(明治45)年までに起きた災害を、各都県の歴史や災害についてまとめた図書の記述を基礎データとして年表にまとめたものです。研究等に是非ご活用いただければ幸いです。

以下のリンクからダウンロードしてください(PDFファイル 841KB)。

首都圏災害史年表幕末・明治編(暫定版、2021年8月)

2021年度第118回例会のご案内

首都圏形成史研究会では、下記のとおり研究例会を開催いたします。
会員外の方も参加できます。多くの方のご参加をお待ちしております。


首都圏形成史研究会 第118回例会

〔日時〕2021(令和3)年10月2日(土)14:30~17:30
〔会場〕オンライン(Zoom)開催
〔申し込み方法〕
本例会に参加を希望される方は、事前予約が必要ですので、下記リンクよりお申し込みください。

https://forms.gle/VWY9CcrwPY1kt2xR7

※申込期日:2021年9月29日(水)

〔内容〕

テーマ:明治43年大水害研究の課題

報告1 土田宏成(聖心女子大学)
明治43年大水害研究の成果と課題

報告2 吉田律人(横浜都市発展記念館)
横浜の関東大水害-『横浜貿易新報』の分析を中心に-

報告3 高野宏峰(中央大学政策文化総合研究所)
山梨県の明治43年水害-明治40年水害との関わりと『峡中新報』の分析を中心に-

コメント1 諸井孝文(J-POWER設計コンサルタント)

コメント2 伊藤 匠(中央大学大学院)

討論 司会 松本洋幸(大正大学)

第118回例会チラシ

首都圏災害史研究会第4回研究会のお知らせ

首都圏災害史研究会第4回研究会のお知らせ

首都圏災害史研究会では、
下記のとおり第4回研究会を開催いたします。

小研究会へ新たに参加を希望される方は、
首都圏形成史研究会事務局(045-201-2169)までお電話にてご連絡下さい。

 【日時】2017年9月30日(土)11:00~13:30
 【会場】國學院大學渋谷キャンパス 3号館 4階 3403教室
 【内容】自治体史調査の報告

首都圏災害史研究会第3回研究会の記録

首都圏災害史研究会第3回研究会の記録

【日時】2017年3月20日(祝・月)13:30~17:30
【会場】横浜開港資料館 会議室
【内容】「災害史」に関する自治体史調査の報告

※小研究会へ新たに参加を希望される方は、
 首都圏形成史研究会事務局(045-201-2169)までお電話にてご連絡下さい。

首都圏災害史研究会の開催について

〔日時〕2016(平成28)年11月27日(日) 10時00分~

〔会場〕青山学院大学青山キャンパス14号館(総研ビル)11階第19会議室

報告 土田宏成(神田外語大学)
「災害史」に関する自治体史調査・自治体史情報整理用書式案について(仮)

※小研究会へ新たに参加を希望される方は、
 首都圏形成史研究会事務局(045-201-2169)までお電話にてご連絡下さい。

首都圏災害史研究会第1回研究会の御案内

首都圏形成史研究会小研究会首都圏災害史研究会では、
下記のとおり設立集会及び研究会を開催いたします。
多くの方のご参加をお待ちしております。

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首都圏災害史研究会 第1回研究会

◎第1部 設立集会
【日時】2016(平成28)年9月3日(土) 13:30~14:15
【会場】國學院大學渋谷キャンパス若木タワー5階0502教室
【内容】顔合わせ・運営方針の確定・今後の予定について

◎第2部 研究会(内務省研究会との共催)
【日時】2016(平成28)年9月3日(土) 14:30~17:00
【会場】國學院大學渋谷キャンパス若木タワー5階0502教室
【内容】書評 吉田律人『軍隊の対内的機能と関東大震災』(日本経済評論社、2016年)
【報告者】中野良(立教大学兼任講師)
     宮地忠彦(専修大学)
【リプライ】吉田律人(横浜開港資料館)

会場アクセスマップは下記をご覧下さい。
http://www.kokugakuin.ac.jp/guide/access_shibuya.html

※2016年8月3日追記
研究会が開催される9月3日(土)は、会場である國學院大學若木タワー正面玄関閉鎖されております。
職員通用口からご来場下さいますようお願いいたします。
なお、通用口の場所は、下記構内案内図をご参照下さい。

國學院大學渋谷キャンパスのご案内(20160903).pdf