2019年度総会・シンポジウム「自治体史編纂の現状と課題」(第112回例会)開催の御案内

首都圏形成史研究会では、下記のとおり2019年度総会・シンポジウム(第112回例会)を開催いたします。
会員外の方も参加できます。多くの方のご参加をお待ちしております。


◆2019年度総会
【日時】2019(令和元)年7月6日(土) 13:00(開場:12時30分)
【会場】立正大学品川キャンパス 9号館地下一階 9B11教室
    (東京都品川区大崎4丁目2−16)

◆シンポジウム(第112回例会)
シンポジウム 自治体史編纂の現状と課題

〔日時〕2019(令和元)年7月6日(土) 13時30分~17時00分
〔会場〕立正大学品川キャンパス 9号館地下一階 9B11教室
    (東京都品川区大崎4丁目2−16)
〔主催〕首都圏形成史研究会
〔後援〕地方史研究協議会 日本アーカイブズ学会

・報告① 神奈川県 平山孝通(元茅ヶ崎市史編さん担当職員・市史協力員)
     「茅ヶ崎市史編さん事業の過去と現在」
・報告② 神奈川県 井上洋一(綾瀬市生涯学習課長)
     「綾瀬市史編集の現状と期待」
・報告③ 埼玉県  佐藤勝巳(元戸田市立図書館・郷土博物館館長)
     「戸田市史の編さんと史料保存」
・報告④ 千葉県  立野 晃(前鎌ケ谷市郷土資料館館長)
     「鎌ケ谷市史編さん事業終了後の現状と課題」

・コメンテーター 小風秀雅(立正大学)  季武嘉也(創価大学)
・司会 栗田尚弥(沖縄東アジア研究センター) 手塚雄太(國學院大學)

【2019年度総会・第112回例会チラシ】


【例会趣旨】
 首都圏形成史研究会の小研究会であるマイクロヒストリー研究会は、大局から歴史を語る方法とは逆に、地域に暮らす人々、その日常といった、限られた対象に密着し、歴史の細部を明らかにすることを通じて、全体の歴史を見ていくことを目的としている。
 こうした地域史でのマイクロヒストリー研究は、継続的な史料の収集、調査・研究が不可欠であり、そのためには各自治体で地域史研究の場が継続的に維持されていることが極めて重要である。各地方自治体で行われてきた自治体史編纂事業が、そうした地域史研究の場としての機能を果たしてきたことは論を待たない。
 しかし、自治体史が刊行された後、未来の自治体史編纂事業まで見据えて編纂事業を継続したり、あるいは後継事業が展開されることは必ずしも多くない。自治体史刊行後は、編纂部局を中心に文書館へ移行すべきだという重要な提言もあるが、そうした事例はむしろレアケースといえる現状がある。また、総務系の部局だけではなく、地域博物館が自治体史編纂事業を担うこともあるが、これら地域博物館では、開館時から館や事業の運営に携わった学芸員が定年を迎えつつある。さらに、自治体史編纂事業・後継事業を継続していくためには、市民からいかにして理解を得るかも大きな課題となっている。
 こうした現状を踏まえれば、地域史研究を組織的に、あるいは人的に、各自治体で継続できるのか、ということが、地域史研究に関わる者すべてにとって大きな課題となっていることは間違いない。
 そこで本シンポジウムでは、長年にわたり自治体史編纂担当として、地域史の現場に関わられてきた方々から、ご自身の仕事を振り返るとともに、自治体史刊行後に、編纂事業、すなわち地域史研究の場をいかにして確保できたのかを論じていただく。これらの報告を参加者も加えた議論を通して、現在の自治体史編纂行政の現状を確認し、問題を共有することを目的とする。