上山和雄編『帝都と軍隊―地域と民衆の視点から―』

首都圏史叢書3
上山和雄編『帝都と軍隊―地域と民衆の視点から―』日本経済評論社、2002年

はじめに
第1編 帝都の防衛
 第1章 帝都防衛態勢の変遷−関東大震災前後を中心として−(土田宏成)
 第2章 「東京航空要塞」の出現−帝都防空体制の変遷−(栗田尚弥)

第2編 地域のなかの軍隊
 第3章 「軍郷」における軍隊と人々−下総台地の場合−(上山和雄)
 第4章 軍工廠と地域−東京都北区域の軍工廠を中心に−(羽田博昭)
 第5章 軍事都市の都市計画−相模原都市建設事業を例に−(浜田弘明)
 第6章 横須賀海軍工廠の発展と海軍水道の建設(田中宏巳)
 第7章 軍人の療養地としての地域−アジア太平洋戦争下の箱根−(井上弘,矢野慎一)
 第8章 静岡県の軍隊配備と誘致運動−軍都浜松を中心に−(高村聡史)

第3編 戦争と民衆
 第9章 日清戦争下の出征兵士家族救助活動−東京市の場合−(白石弘之)
 第10章 日露戦後の特命検閲−埼玉県を事例として−(中村崇高)
 第11章 アジア太平洋戦争下の市川市警防団(小野英夫)
 第12章 都心における企業ビル特設防護団−実業之日本社を例として−(黒川徳男)
 第13章 徴兵制における所在不明者−昭和期長野県の兵事資料から−(吉良芳恵)

付表 関東地方主要軍事施設

【書評と紹介】
原田敬一 『赤旗』2002年5月13日
荒川章二 『図書新聞』2002年7月6日
佃隆一郎 『日本歴史』663号(2002年)
荒川章二 『史学雑誌』111編12号(2002年)
一ノ瀬俊也『日本史研究』485号(2003年1月)
村瀬隆彦 『静岡新聞』2003年1月4日
沼尻晃伸 『歴史と経済』180号(2003年)

土田宏成・吉田律人・西村 健 編『関東大水害-忘れられた1910年の大災害』

首都圏史叢書8
土田宏成・吉田律人・西村 健 編『関東大水害-忘れられた1910年の大災害』日本経済評論社、2023年

定価:6,270 円
判型:A5判
頁:320頁
刊行:2023年2月
詳細ページ⇒出版社ページへのリンク

内容紹介
明治末の日本を襲った大洪水はどのような被害を発生させ、人々はどのように対応したか。その後の災害対策への影響と教訓は何か。首都東京とその周辺を中心に多面的に考察する。

目次
序 章 関東大水害の概要  土田宏成
第1部 東京の関東大水害
第1章 関東大水害時の罹災者救護活動:東京府・市の活動を中心に  西村 健
第2章 関東大水害と軍隊:海軍の救護活動を中心に  吉田律人
第3章 水害常襲地帯の明治:荒川右岸無堤防地帯と関東大水害  鈴木智行
第4章 南足立郡における水害と荒川放水路の建設  佐藤貴浩
第2部 被災各県の諸相
第5章 利根川・渡良瀬川合流地域(北埼玉郡)の被災情報:旧伊勢御師宛書簡を手がかりに  谷口裕信
第6章 関東大水害時の鉄道被害と復旧:山梨県域を中心に  高野宏峰
第7章 関東大水害と『横浜貿易新報』:災害報道の分析を中心に  吉田律人
第8章 地域における関東大水害の記憶:茨城県を事例に  宮間純一
第3部 災害史研究の広がり
第9章 罹災者救助思想の変容:戦前日本の官製国民運動にみる災害と自治  伊藤陽平
第10章 近代日本の「災害外交」の展開:二〇世紀初頭を中心に  土田宏成
第11章 災害に関する共時的研究:「災害エスノグラフィー」と歴史  濱千代早由美
終 章 本書の成果と災害史研究の展望   吉田律人

大西比呂志・梅田定宏編『「大東京」空間の政治史―1920~30年代―』

首都圏史叢書4
大西比呂志・梅田定宏編『「大東京」空間の政治史―1920~30年代―』日本経済評論社、2002年

第1部 「大東京」空間の形成
 第1章 「大東京」概念の形成と国有鉄道の動向(鈴木勇一郎)
 第2章 1910~20年代における「保健衛生」施策と地域社会(石居人也)
 第3章 1930年代の横浜市政と史蹟名勝保存(松本洋幸)
 第4章 1930年代東京における郊外統制構想(中島康比古)
 第5章 埼玉県の都市計画と「大東京地方計画」(梅田定宏)

第2部 都市支配の構造
 第6章 1920年代東京市における地域政治構造の変化(櫻井良樹)
 第7章 東京府北豊島郡王子町における町内会の形成と再編成(黒川徳男)
 第8章 市域拡張と地域政治(大西比呂志)
 第9章 地方小都市の都市化と愛市運動(大岡 聡)

【書評と紹介】
 能川泰治 『藤沢市史研究』37号(2004年)
 布川弘  『社会経済史学』70巻2号(2004年)
 中嶋久人 『アジア民衆史研究』第9集(2004年)
 源川真希 『史学雑誌』113巻9号(2004年)
 原田敬一 『日本史研究』508号(2004年)

奥須磨子・羽田博昭編『都市と娯楽』

首都圏史叢書5
奥須磨子・羽田博昭『都市と娯楽』日本経済評論社、2004年

第1部 都市の娯楽
 第1章 東京の寄席にみる都市社会史(田中 淳)
 第2章 松竹の関東進出と横浜演芸界(平野正裕)
 第3章 娯楽・百貨店事業と渋谷の開発(松本和明)
 第4章 百貨店をめぐる娯楽の変容(近藤智子)

第2部 競馬という娯楽
 第5章 娯楽移入窓口としての横浜居留地・開港場横浜(本多仁禮士)
 第6章 大衆娯楽としての競馬(杉本 竜)
 第7章 もう一つの首都圏と娯楽(山崎有恒)

第3部 郊外の娯楽
 第8章 郊外の再発見(奥須磨子)
 第9章 郊外行楽地の盛衰(鈴木勇一郎)
 第10章 京王電気軌道株式会社による沿線行楽地の開発(奥原哲志)
 第11章 東京近郊地域における娯楽の諸相(羽田博昭)

【書評と紹介】
 田中裕二 『地方史研究』313号(2005年2月)
 黒川徳男 『藤沢市史研究』39号(2006年3月)

松本洋幸・大西比呂志編『首都圏形成の戦後史』

首都圏史叢書9
松本洋幸・大西比呂志編 編『首都圏形成の戦後史』日本経済評論社、2023年

定価:6,600円
判型:A5判
頁:372頁
刊行:2023年3月
詳細ページ⇒出版社ページへのリンク

内容紹介
「首都圏」という巨大な空間は、どのように形成されたか。関東近県を対象とした首都圏計画の推移と、開発の力学がもたらした地域社会の多様な政治変動を通して、新たな戦後史に迫る。

目次
序章 首都圏形成過程の解明に向けて(松本洋幸)
第1部 自治体再編と首都圏計画
第1章 東京をめぐる地方計画/衛星都市論と多摩地域:首都圏整備法制定以前(中村 元)
第2章 新市連帯運動と衛星都市論:「昭和の大合併」期(伊藤陽平)
第3章 首都圏整備計画の砂川町への影響:町議会の議論を中心に(沖川伸夫)
第2部 開発をめぐる相克
第4章 千葉県開発行政と東京湾広域開発論:首都圏形成期の柴田等知事と政界・経済界(車田忠継)
第5章 首都圏整備計画と金刺不二太郎:「大川崎」から「住みよい町」へ(北川恵海)
第6章 首都圏整備法と石井繁丸前橋市政:革新から保守へ(手島 仁)
第7章 首都圏形成と東急多摩田園都市開発:川崎市・横浜市北部農村地域の変容(中村一成)
第3部 国土計画と大都市圏整備
第8章 第二次首都圏基本計画の策定過程:過大都市抑制論と巨大都市肯定論(松本洋幸)
第9章 首都圏計画と住民運動:市川市・鎌ケ谷市を事例に(手塚 雄太)
第10章 革新保守転換期の横浜市政:細郷道一と都心臨海部開発事業(大西比呂志)
第11章 第四次~第五次首都圏基本計画と東京一極集中:規制緩和と首都圏の変容(源川真希)
終章 「首都圏」と地域(大西比呂志・手塚雄太・源川真希)
関連主要年表事項

栗田尚弥編『地域と占領』

首都圏史叢書6
栗田尚弥編『地域と占領』日本経済評論社、2007年

第1編 アメリカ軍の占領姿勢
 第1章 <戦時軍政>から<戦後軍政>へ(栗田尚弥)
 第2章 在外邦人の帰還輸送とコレラ(高村聡史)
 第3章 元GHQ情報課長とマッカーシズム(中武香奈美)

第2編 地域団体の廃止と再編
 第4章 GHQ宗教政策の地域的展開と隣保組織(清水 節)
 第5章 占領期の衛生組合(中澤恵子)
 第6章 警防団から消防団へ(小野英夫)

第3編 政治社会の民主化
 第7章 千葉県の戦後政治の連続と非連続(中村政弘)
 第8章 村政民主化と民主主義観(沖川伸夫)
 第9章 占領期農村における医療と社会運動(鬼島 淳)

第4編 臨海開発と地方自治体
 第10章 自立経済と臨海工業地帯開発(斉藤伸義)
 第11章 川崎製鉄の千葉進出と京葉臨海工業地帯(吉田和彦)

【書評と紹介】
中里裕司 『日本歴史』732号(2009年5月)
大岡聡『歴史学研究』845号(2008年10月)

櫻井良樹編『地域政治と近代日本 関東各府県における歴史的展開』

首都圏史叢書1(首都研史叢書1)
櫻井良樹編『地域政治と近代日本 関東各府県における歴史的展開』日本経済評論社、1998年

第1章 利根川治水をめぐる茨城県の政治状況(佐藤明俊)
第2章 明治末期の治水問題—臨時治水調査会を中心に—(山崎有恒)
第3章 日露戦争前後における東京の政治状況—市内における選挙状況の変化を中心に—(櫻井良樹)
第4章 明治後期・大正期の千葉県の政治状況—県会議員選挙・衆議院議員選挙の分析を中心に—(神山知徳)
第5章 日露戦争前後の神奈川県の政治動向—1903〜1915年の県会議員選挙の分析をとおして—(吉良芳恵)
第6章 群馬県における県会党派の発生と展開(手島仁)
第7章 日露戦後山県系官僚の積極政策—有吉忠一知事の千葉県における施策を例に—(山村一成)
第8章 千葉県の「ニュー・ディール政策」—つかのまの地域開発策の意味するもの—(中里裕司)
第9章 1906年の電車賃値上反対運動再考—日露戦後東京市の社会状況と都市民衆騒擾—(田所祐史)

【書評と紹介】
松下孝昭 『日本歴史』618号(1999年)
吉田和彦 『歴史科学と教育』18号(1999年)
梅田定宏 『首都圏形成史研究会会報』9号(1999年)

老川慶喜・大豆生田稔編『商品流通と東京市場―幕末〜戦間期―』

首都圏史叢書2
老川慶喜・大豆生田稔編『商品流通と東京市場―幕末〜戦間期―』日本経済評論社、2000年

はしがき
第1編 東京市場の形成
 第1章 十九世紀後半の横浜近郊農村における商品流通―開港と都市化の中の商業活動―(西川武臣)
 第2章 明治前期の東京織物市場と流行織物―縞木綿を中心に―(田村均)
 第3章 近代における見沼代用水の舟運―船頭の活動状況と河岸・道路を中心に―(野崎雅秀)
 第4章 近代東京市場における流通機構の整備と塩流通(落合功)

第2編 鉄道の登場と商品流通
 第5章 在来肥料の交代と鉄道開通による肥料流通への影響―新河岸川筋福岡河岸を中心として―(酒井智晴)
 第6章 幹線鉄道網整備と肥料流通網の形成―茨城県における肥料流通―(市川大祐)
 第7章 養蚕業の発展と原料繭流通(中林真幸)
 第8章 東京市場をめぐる地廻米と遠国米―産業革命期首都圏の米穀市場―(大豆生田稔)
 第9章 陶磁器業の展開と輸送網の整備―明治期を中心に―(岩下祥子)

第3編 都市化と輸送問題
 第10章 大正期東京のセメント流通構造(渡邉恵一)
 第11章 第一次大戦後の東京市貨物集散状況小運送問題(老川慶喜)

【書評と紹介】
丹治雄一 『首都圏形成史研究会 会報』14号(2001年)
中西聰  『社会経済史学』68巻5号(2002年)
小岩信竹 『歴史と経済』177号(2002年)
石井寛治 『史学雑誌』112編1号(2003年)

鈴木勇一郎・高嶋修一・松本洋幸編『近代都市の装置と統治―1910~30年代―』

首都圏史叢書7
鈴木勇一郎・高嶋修一・松本洋幸編『近代都市の装置と統治―1910~30年代―』日本経済評論社、2013年

はじめに(松本洋幸)

第一編 市民生活と都市装置
 第1章 関東大震災以前における東京市内交通機関をめぐる公益性の議論(櫻井良樹)
 第2章 横須賀市における屎尿処理問題 ―市営化とその展開―(吉良芳恵)
 第3章 関東大震災と横浜市の警備体制―都市装置としての「軍隊」をめぐって―(吉田律人)
 第4章 日用品小売市場の展開 ―公益市場と私設市場―(山口由等)
 第5章 都市の神社と選挙粛正―1930年代における「都市装置」と公共についての試論―(源川真希)

第二編 郊外開発と都市装置
 第6章 「死」をめぐる都市装置 ―近代東京における墓地と地域社会―(石居人也)
 第7章 池上をめぐる郊外開発と本門寺(鈴木勇一郎)
 第8章 1910年代東京市近郊における私設水道と賃取橋(白石弘之)
 第9章 「田園都市」の水道問題(松本洋幸)
 第10章 大都市装置としての「帝都天然公園」―奥多摩の開発をめぐって―(梅田定宏)

第三編 都市装置を支えたもの
 第11章 大都市近郊の町村財政―東京市隣接五郡の町村債を中心に―(神山恒雄)
 第12章 市街地改造装置としての都市計画関係者集団と土地区画整理
     ―雑誌『都市公論』の検討を手掛かりに―(高嶋修一)

【書評と紹介】
中嶋久人『日本歴史』793号(2014年6月)
中西啓太『史学雑誌』123巻6号(2014年6月)
時里奉明『経営史学』49巻2号(2014年9月)